奈良市北市中町 【Xperia10Ⅳ】 バッテリーの膨張
2024/02/27
バッテリーの劣化と聞くと、どのような事態を思い浮かばれるでしょうか。
なんとなく充電の減りが早くなってしまったり、
ひどい場合だと電源が入らなくなりそうというイメージを持たれている方もおられるかもしれません。
機能的な劣化症状でいうと、上記のようなイメージで間違いないのですが、
感覚的な症状でいうと発熱してしまうことがあったり、
また、まれに今回のように物理的に膨張してしまうというケースもあります。
iPhoneを含めた多くの小型精密機器にはリチウムイオンバッテリーというバッテリーが採用されています。
このバッテリーは小さい容量ながら大きなエネルギーを制御することができるため、
小型精密機器にとっては大変ありがたいバッテリーです。
仕組みとしてはバッテリー内で化学反応を起こし、それによって電気を発生させるのですが、
バッテリーが劣化してくると内部で酸化反応が起こってしまい、ガスが溜まりやすくなります。
そのガスの溜まりが続いていくと、最終的にはバッテリーが膨張し続け、
画面や背面を浮かせてしまい、画面(背面)の間に隙間ができてしまいます。
アイプラス奈良店でもバッテリー膨張のお悩みをご相談いただくことがあるのですが、
iPhoneXや、iPadのAirモデルなどはこの膨張現象が多く見られるかと思います。
本日はXperia10Ⅳのバッテリー膨張をご相談いただきました。
今回お預かりさせていただいた端末は膨張によって背面が浮いてしまっている状態でした。
今回のXperia10Ⅳはバッテリーが背面側に搭載されているので、
背面側が膨張によって浮いてきていますが、
1部のAndroid端末やiPhoneは画面側にバッテリーが搭載されているため、
膨張によって浮いてくるのは画面です。
バッテリーの膨張によって背面や画面が浮いてしまうと、
当然画面や背面と本体の間に隙間ができてしまい、内部部品が無防備な状態になってしまいます。
例えば、内部に水分やほこりなどの異物が侵入してしまうと、
他の部品故障を起こしてしまう可能性が高いです。
また、画面に負荷がかかることによって画面が故障(液晶故障やタッチ不良)が
起きてしまう可能性もあります。
そのため、膨張が確認された場合は速やかに修理を依頼することが大切です。
特に他の部品故障が起きていなければバッテリー交換のみで画面(背面)を
元通り本体に固定することができます。
今回のXperia10Ⅳのバッテリー交換は、まず背面とフレームの間に熱を当てていき粘着を溶かすところから始まります。
その後、ヘラなどを用いて背面を開けていき、元々のバッテリーを取り外し新しいバッテリーを取り付けます。
あとは背面を元通り本体に固定して修理が完了です。
今回のバッテリー膨張ももちろん危険なのですが、機能的なバッテリー劣化も同じく危険です。
バッテリーの使用年数は2年ほどとされており、そこまで長くはありません。
劣化が始まるとまず充電の減りが早くなり、使い勝手が悪くなってきます。
それがどんどん悪化していくと、充電残量がありえない速度で急に減ったり、
急に電源が落ちてしまうことなどの事態が起きてきます。
また、電源が落ちたまま起動不良になってしまうことも珍しくありません。
バッテリー劣化による急な電源落ちはデータの1部破損が起こったり、
内部のシステムにバグが生まれてしまうなど、
取り返しのつかない事態にまで発展する可能性もあるので、なるべく避けたいところです。
購入から2,3年経ったり、充電の減るスピードに違和感を感じたタイミングでバッテリー交換は済ませておきましょう。