なぜ緑色?電子機器の話でよく聞く「基板」とは?
2023/10/16
学校の技術の授業や携帯の修理店などで「基板」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
なんとなく緑色のイメージがあったり、「電子機器の大事な部品そう」などと
考えられている方も多いかと思います。
実際、多くの基板は緑色になっており、重要性についても「人間で言うと心臓」と
言われるほど電子機器を支える上で重要な部品です。
基板とは簡単に言うと「何らかの機能を果たすための部品を配置する板」です。
具体的な役割としては、回路を構成する電子部品同士の接続・絶縁、
部品の機械的な配置・固定などを担ってくれています。
携帯端末の代表として名高いiPhoneの基板を例にとって説明すると、
・iPhoneの処理全般
・iPhoneのデータの記憶装置
・画面液晶やカメラなどの部品への配電
・モバイルデータ通信の管理
などがiPhoneの基板の主な役割です。
画面液晶やカメラなどの部品にはコネクターというものがついており、
そのコネクターを基板にカチッとはめることで部品への配電が可能となり、
それぞれの機能を果たせるようになるのです。
(↑赤丸部分がコネクター)
基板の材質は基材が紙やガラス、樹脂がフェノール樹脂やエポキシ樹脂という
複数の樹脂を組み合わせた複合基材となっています。
ちなみに、「基盤」という別の表記を見たことがあるかと思いますが、
この基盤は「物事の基礎や土台」という意味で電子機器の部品とは無関係です。
電子機器を支えてくれている基板ですが、なぜ緑色のものが多いのでしょうか。
基板の色というのは、レジストという基板の保護や絶縁のために表面に塗布するインクの色で決まります。
このインクが緑色のものが多い理由は以下の通りです。
・目に優しく目視での検査がしやすい
最終的な検査をする際、黄色や赤色だとまぶしくて検査がしづらく、
また、黒色や白色だと異物・断線などが目立ちにくいため吟味が必要になってしまう
・コストが安い
緑色は汎用性が高く、生産において広く使用されている
量産の際、同じ塗料を使用することで工場のコストを削減できる
・エラーを減らす
緑色の塗料は多くの誤差を減らし、他の色より小さな面積を占めるため、より高い精度で行うことができる
などの理由があり、使用する塗料1つとってもしっかりと意味があります。
今まで、基板について色々とご説明してきましたが、
この基板はどれだけ精巧に作りこんだとしても故障してしまうことがあります。
iPhoneなどの携帯端末の基板が故障する原因としては、
水没や衝撃による外的要因や、端末の長期使用による自然劣化などがあります。
基板が故障してしまうと、
・電源ボタンを押しても電源がつかない(起動不良)
・起動時に表示されるロゴ(iPhoneで言うとリンゴマーク)から一向に進まない
・画面液晶やカメラなどの機能が使えなくなる
といった症状が起きてしまいます。
当店では、起動不良になってしまった端末等のの基板修理も承っております。
基板修理は自店で行える作業ではく、当店が提携している業者さんでの修理となるため、
1週間ほどのお日にちをいただくのですが、データの復旧も合わせて行うことが可能な
お得な修理となっているのでぜひご依頼ください。